珍獣 | 63億異聞録

珍獣




肌寒い秋の夕方、
友達と2人で昨日買った拳銃の試し撃ちをしに
人里離れた山奥へと行って来た。


その友達(以下K君)は拳銃を撃つのが初めてだった。


何も知らないK君に俺は、
手取り足取り金取り親切に教えた。



K君「えっと、、、まずは安全装置を解除して・・・。」

「じゃあ、あそこの枯れた木を狙って撃ってみ。」


K君は狙いをさだめて引き金を引いた。


パンッ!


K君「おぉ・・・。結構、振動がすげぇな。。。」

「っていうか、木にかすりもしてねえじゃん。」

K君「まぁ、最初はね・・・ははは・・・。」


ふと、木の奥を見ると、、、何かが動いている!

野生の動物か何かだと思い、そぉ~と近づくと・・・


そこには見た事もない血だらけの珍獣が!!


一番驚いた特徴は、
三丁目の茂野さんの旦那にそっくりだった事。

しかも、生意気に服まで着ている!(盗品に違いない。)


目にはメガネのような物。
頭には帽子のような物。(全て盗品だろう。)


どうやら、K君の撃った流れ弾が当たったらしい。。。


その珍獣は俺達を見て奇声を発した!


珍獣た、助けてくれ・・・。頼む、、、
殺さないでくれ!
ぴぎゃーーす!!」

何を言っているのか全く分らなかったが、
恐らく、いかくしていたのだろう。。。


K君は珍獣を見て腰を抜かして驚いている。。。


K君「やっちまった。。。捕まっちまう・・・。」



確かに、やっちまった・・・

世紀の大発見だ。


そして捕まっちまう・・・

科学者達に捕獲されてしまう。



K君「・・・ど、どうする?」



どうするって言われても、、、と思ったその時!


珍獣が動かなくなった。。。


恐らく、冬眠に入ったのだろう。



そしてK君の表情が変わった。



K君「埋めちまえばばれないよな。。。」



確かに、こんな無防備の状態での冬眠は危険だ。

しかも、見つかって捕獲されてしまうかもしれない!



俺は以外とやさしいK君に感動しながら、
無言で穴掘りを手伝う。


そして、珍獣を穴の中に寝かし、
そっと土の布団をかけてあげた。


そのままその日はK君と別れた。。。












1週間後、
K君が殺人および死体遺棄の容疑で逮捕された。



三丁目の茂野さんの旦那を銃殺したうえ、
遺体を山の中に埋めて隠していたらしい!






なんて酷い事をするやつなんだ!
許せない!!





でも、あの日のK君の珍獣にたいする優しさを
目の当たりにしていた俺は

「あんなに優しいK君が
そんな酷い事をするはずない!」


と思いながら、警察に詳しい話を聞きに行った。


すると、
どうやらもう一人の共犯者がいるらしい!



思ったとおりだ!




K君はそいつに脅されて
仕方なくやったに違いない!



でも、K君の友人のほとんどが俺の友人でもある。
犯人が俺の知らない人間であるといいのだが・・・。






数日後、
俺はK君に会いに留置場へと向かった。


そしてK君と会話。。。


K君「あの事は誰にも言わないから安心してな。」



あの事とは、珍獣の事だろう。



「ああ、二人だけの秘密だな。」




K君「○○君はいい人だからな・・・。
   こんなことで一生をダメにする事はないよ。
   全部、俺が一人で殺った事にしとくから。」




小声でK君がそう言う。。。





な、なんてやつだ!




珍獣発見という世紀の大発見
K君は自分一人だけのものに
しようとしている!





俺は欲深かいK君に殺意が芽生えたが、
今の状態のK君に怒りをぶつけるのは
可愛そうだと思い、数年後、
刑務所から出てきた時に狙撃しようと思います。


-この話はフィクションです-


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